現役保育士のおもうところ

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保育士の転職が難しいのはなぜ?転職を成功させるためには?

保育士平の離職率は高く、勤続年数も長くはありません。 平成27年度、厚生労働省発表の賃金後続基本統計調査によると、保育士の平均勤続年数は7.6年となっています。 多くの保育士が転職に向き合う中、保育士の転職は難しいといわれています。 その理由はなぜなのか?転職を成功させるためにできることはなにか?についてお知らせします。

【転職が難しい理由1】 保育業界内での転職にこだわる

保育士としての仕事自体には不満はない

保育士が転職をする主な理由は次のとおりです。

  • 給与や年収に満足できない
  • 労働時間への不満
  • 人間関係がうまくいかない
  • 雇用形態の不満

異業種へ転職することで解決できる問題や不満もありますが、転職理由の多くが、異業種、同業種を問わない理由となっています。 保育の仕事が嫌になって辞めていくわけではないので、勤務先を変えて、同じように保育士として仕事を続けたいと考えるようです。 同じ保育業界で似通った給与条件でも、少しでも残業の少ない園や休みを取りやすい園への転園を希望するなど、好条件を求めるためになかなか転職先を選べないケースも多いです。 同じ保育業界で今よりも良い条件にこだわることが、保育士の転職を難しくしています。

スキルや経験を無駄にしたくはない

異業種へ転職することで、保育士として積み重ねてきた経験や、身につけてきたスキルを無駄にしたくないと考える場合もあります。 保育士としての経験やスキルを活かした転職先を考える時、条件に合った転職先を見つけることは簡単ではありません。 同業種への転職を考えても、ステップダウンしたくないなど、今までの経験を重視するために転職が難しくなる場合があります。 このように、保育士として保育業界内での転職にこだわることは、転職を難しくすることもあります。

【転職が難しい理由2】 保育以外のスキルがない

保育士の仕事はマルチタスクで、さまざまな分野の知識や技術が求められます。 乳幼児の遊びに関することだけではなく、栄養や食事に関すること、病気やケガへの対応など、子どもを安全で健康に保育するための保育士としてのスキルは多様です。 しかし、保育士が転職を考える時、異業種で活かすことができるスキルを持っていないことが大きなネックとなります。 さまざまな分野のスキルはあっても、広く浅いスキルなので、役立てることが難しいのです。 例えば、保育士はクラスだよりや保育計画案作成などでパソコンを使って文書作成をすることが多々ありますが、毎日パソコン業務があるわけではなく、パソコンスキルもごく基本的なことができる程度です。 一日パソコンに向かって仕事をすることもないので、タイピングが早くできるわけではありません。 このように、保育以外の特定の強みがないことが、保育士の転職を難しくさせています

【転職が難しい理由3】 転職に向けての準備ができにくい

ほとんどの保育現場は人手不足で、残業や長時間労働が当たり前となっている現実があります。 保育士の仕事はシフト制で勤務時間にばらつきがあり、アフターファイブの予定を入れることが難しい職業です。 転職を視野に入れて、パソコン教室や簿記講座などに通う予定を立てることですら難しいのが、保育士なのです。 どの保育園でも、勤務時間終了と同時に退勤する雰囲気など漂っていないことがほとんどです。 そのため、勤務終了後に退職に向けての準備をすることが難しく、転職すること自体、保育士は難しい状況に置かれているのです。

保育士の転職の難しさを解消させるためには?

転職先を異業種か同業種かに絞ることから転職活動を開始する

まず、転職先は異業種か同業種かを決断して、転職活動を進めていくと効果的です。 同業種を選んだとしても、保育園、幼稚園、認定こども園のほか、託児所や企業内保育所など、選択肢はたくさんあります。 また、保育に関する仕事以外で、保育士資格で働くことができる職場もたくさんあります。 異業種への転職を考える場合も、どの分野に転職したいのか的をしぼって、具体的に探していくことが大切です。

保育業界内での転職に期待できることは、環境の変化

保育士の待遇改善は進んではいますがまだまだ十分ではなく、同業種への転職で金銭的な待遇アップを求めることは難しいのが現実です。 保育業界内での転職で得られる大きなメリットは、環境の変化による人間関係のリセットです。 待遇面の大きな改善を求めるならば、異業種への転職に切り替えるのが近道となります。

転職先で活かすことができるスキルを身につける

保育士資格以外の免許・資格がない場合は、求められているスキルを身につけてから転職に繋げる方法もあります。 保育現場は常に忙しく、なかなか時間が取りにくい職場ですが、通信講座などを利用して新たな免許・資格をとっておけば、転職活動の難しさ解消につながるでしょう。

まとめ

保育士は売り手市場に合って、たくさんの求人があります。 しかし、現状よりも良い労働条件の職場を見つけることはそう簡単ではありません。 自分が求める条件を明確にし、計画的な転職活動が大切です。 異業種への転職が難しいのは、スキルの問題が大きく影響しています。 保育士として在職中に次のステージへ向けての準備を進めることが転職の成功につながります。